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水道橋博士はバイオラバー問題の責任を取ったのか? [健康情報、本当の話]

水道橋博士は、『博士の異常な健康』(アスペクト)でバイオラバーを推奨していました。

しかし、2009年、バイオラバーを製造・販売する大阪のゴム素材メーカー・山本化学工業が、「販売行為は薬事法に違反する恐れがある」と問題になりました。

バイオラバーを「がん治療効果がある」などと説明して販売していた健康用品販売会社が、薬事法違反容疑で逮捕者が相次いでいます。

自称インテリ健康オタク・水道橋博士の本『博士の異常な健康』(アスペクト)には、わざわざ博士がこの工場まで訪ねていって社長をインタビュー。事実上のペイドパブ記事を堂々と掲載していました。



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バイオラバーというのは、ベスト型やハンカチ型のゴムに新素材をくっつけたもの。同書によると、そのゴム素材は、身につけたりこすったりすることで、がんだけでなく電磁波も予防できると断言していました。

しかし、その根拠を見ると、フラスコにがん細胞を入れたものがアポトーシスしたという「学会発表」。
かりにそれが本当だとしても、だから人間の体にあてればがんが治るということにはなりません。

「抗がん作用がある」ことと「がんに効く」ことは全く別の話だからです。

たとえば、今の季節、私たちが普通に食べているりんごやみかんにも「抗癌作用」はあります。

それが、がん予防に奏功する可能性はもちろん否定しませんが、ではそれらを食べればがんがなおるかといえばそんなことはありません。

それに、学術的には「学会発表」だけでは相手にされません。
「発表」は比較的簡単にできるからです。

なぜなら、学会というのは任意団体ですから、会の規模も内容も自由です。

事務局が教授室で、会報はメーリングリスト、専門の論文を書いたことがない人だって入っているという零細学会だってたくさんあるのです。

つまり「学会発表」「学会が認めた」といっても、その審査の精緻さは必ずしもあてにはなりません。

それが確かなものかどうかは、真面目な専門雑誌に論文として掲載され、
より多くの研究者達からその時代でわかっている科学によるチェックを受けなければなりません。



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そもそも、全身を覆えるわけでもないベストのような形をした素材に、
どうやって頭の先から足まで電磁波をカットできるのか、
全くいい加減な話です。値段も高い。

何より、電磁波についてははっきりとしたリスクが明らかになっている
わけではありません。

予防原則で、自己責任の用心をすることは構いませんが、
そのゴム素材で、どれだけのリスクをどう軽減し予防とできるのか、
など数量的にも論理的にも効果が客観的に示せていないのですから論外です。

水道橋博士は、「酷い時は歩いただけでその振動から頭に激痛が走る」ほどの
頭痛をもたらす肩こりに悩まされていたといいます。

それが、自宅の設計をしてもらった建築士から、「頭痛だけじゃなく、
胃にポリープができた時も、これをお腹に当てて上から何度もさすっていたら、
1週間で消えた」とバイオラバーを紹介され、購入1ヶ月後……。

「あれ? 考えてみれば、俺、すっかりバンテリン使ってねえぞ? 
それに頭痛薬も飲んでねえし……」
 肩こりが消えてしまったというのです。

困ったことです。

体験談を書いてはいけないといっているのではありません。
自分がこのような考えからこんな形でこう試したらこうなったが、
科学的認知を受けるにはこの点が不足していると、目的や体験談と
科学的な見解をきちんと区別と両立をさせて正直に述べていくことが
必要だと思います。

そうでなければ、いくら善意からのものであっても結局バイブル本の
類と同じ役割を果たすことになるのです。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本


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