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水道水は本当に危ないの?(1)残留塩素の真実 [健康情報、本当の話]

水道水が危ない。そう煽る人たちが一部にいます。その影響か、自殺した元大臣が、「ナントカ還元水」という言葉を国会で発したように、最近は「非水道水」や、高額な浄水器によって濾過した水道水を使うというケースが家庭でも多いようです。



昨今の「健康ブーム」は、アンチ水道水の論陣をはって、「金をかけた水」こそが健康に繋がるものとしたいようです。

金をかけたい人がかけるのは自由ですが、では水道水というのはそんなにあぶないものなのでしょうか。

中村三郎さんの『水道水も危ない!』(酣燈社)という危険煽り本から見ていきます。

同書の第7章から第9章には、巷間しばしば指摘される、残留塩素とトリハロメタンのことが書かれています。

塩素は危険だ。だから、塩素が残留している水道水は危険だ、という論理です。



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水道水には、たしかに微量の塩素が含まれています(残留塩素)。細菌などの病原微生物を消毒する目的で、一定量の塩素を加えることが法律(水道法)で義務づけられているからです。

しかし、それは必要だから、安全性を考慮しながらそうしているのです。

水道計画・水質管理の国際的技術者である小島貞男さんの著した『水道水 安心しておいしく飲む最新常識』(宙出版)によると、水道水が汚染されると塩素は消費されて残留しなくなるそうです。

裏を返せば、残留塩素が検出される我が国の水道水は、汚染されていない証拠になるのです。

筆者は、塩素の残留については直接東京都水道局に問い合わせてみました。

水道局ではこうコメントしています。

「残留塩素につきましては、1リットルあたり0・1㎎以上0・4㎎以下を目標として、今後とも低減化に取り組んでおります」(サービス推進部広報サービス課)

実際に0・4㎎程度を維持しているようです。

WHOの飲料水水質ガイドラインでは、生涯にわたり水を飲んでも、人の健康に影響が生じない塩素濃度のガイドライン値は、5mg/リットルとされています。

つまり、東京都は、安全といわれる数値よりも桁がひとつ少ないレベルを維持しているのです。



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細かいデータは省きますが、地域によってバラツキはあるものの、全国的にこの数字は堅持されています。つまり、我が国の水は安全で、残留塩素自体のリスクもガイドラインを遙かに下回っているということです。

ちなみに、小島貞男さんの「おいしい水」の要件は、残留塩素が「0・4㎎以下」であり、これも東京都水道局と目指す数字は一致しています。

何を以て美味しい水かというのは、価値判断の問題ですが、水道水は安全性だけでなく、「美味しい」条件も数字の上ではクリアしているということです。

次回は、トリハロメタンについて見ていきます。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本


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