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抗がん剤「4週間小さくなる」は無意味か? [健康情報、本当の話]

抗がん剤。がん治療で賛否が別れる「化学療法」です。通常は、民間療法関係者は否定し、一説には医師もがんになったら抗癌剤を否定する、なんて話もあります。それをもって、抗がん剤否定論はますます元気づくわけです。ただ、その点で一言しておくと、医師が自分のがんに抗がん剤を避ける事がもしあったとしても、それは医師個人の価値判断というだけのことで、だから抗がん剤は医療で否定されるべきということにはなりません。

川竹文夫さん(ガン患研)のビデオをさらに見ますと、川竹文夫さんは、抗がん剤を否定しています。

川竹文夫さんに限らず、通常治療(三大療法)に否定的な人は、中でも抗がん剤に対する攻撃を一段と強く行う傾向があります。



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『「ガン・治る法則」12カ条』(三五館)というQ&A形式で書かれた自著でも、川竹文夫さんは抗がん剤について、次の3点の「抗癌剤の問題点」をあげつらっています。

・4週間小さくなるだけで「効く」とする(まやかし)
・100%効かないのに認可する
・副作用が強くがん以前にそれ自体で絶命しかねない

だから、抗がん剤は信用できないというのです。

まず、根本的な問題なのですが、では川竹文夫さんはどうしろというのでしょうか。

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抗がん剤をやめれば、がんは進行します。それに対しては何も合理的な代替案がありません。ライフスタイルの改善が発症したがんの進行を食い止めることは難しく、そもそも川竹文夫さんがそうした症例を客観的に示してもいないことはすべに述べました。

正直に述べれば、抗がん剤に強い副作用があるのは確かです。軽減する対策もとられているといいますが、生涯の投与量が定められるなど、副作用だけでなく「後遺症」が残るものもあります。

できることなら使いたくはありません。しかし、がんは様子を見ていても進行するのです。大きくなり転移もします。時間との勝負です。

「4週間小さくなるだけ」といいますが、実はその「小さくなる」ことがどれだけ大変であり、かつ意義のあることか、がん経験者の川竹文夫さんが理解できないのは大変残念です。

白血病や悪性リンパ腫のように、抗がん剤で寛解が見込めるものもあります。というより、血液のがんにおいて抗がん剤を否定したら抜本的な治療はできません。

臓器がんの場合には、抗がん剤だけでがん治療を済ませることはむずかしいとされますが、たとえば、抗がん剤を先に使い、がんを小さくしてから手術をする方法もあります。

たとえば、こんな記事があります。

>>がん治療新素材、抗がん剤否定派は恩恵にあずかれないね

手術や放射線療法でとりきれないときでも、がん細胞を減らして症状をなくすことによって緩解に持ち込んだり、QOLを向上させたりすることもできます。抗がん剤の治療に果たす役割は重要です。

「100%効かないのに認可する」という川竹文夫さんの言い分にいたっては、抗がん剤がどのようなものかを理解できていないか、理解できているのなら悪意に充ちた「為にする批判」としか思えません。

たしかに、奏功率はがんの部位により様々で、いずれにしても100%ではありません。患者やその家族ならずとも、それがより高くなればいいと思います。

ただし、100%というのは現実にあり得るのだろうか、ということもよく考えればわかるはずです。



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がん細胞というのは、正常細胞と同じようにその人自身の細胞です。そこからがん細胞だけを攻撃するというのは本来至難の業です。

そこで、抗がん剤は、簡単に言えばよりはやく細胞分裂をするものを狙って攻撃することで、進行するがん細胞を攻撃する仕組みです。

つまり、それを、より遅い分裂をするものも攻撃するようにすれば確実に奏功率は上がります。が、それは結局、正常な細胞も攻撃されることになります。

100%奏功することは、正常な細胞も皆殺しということになってしまいます。「100%効かないのに認可する」などと言いだしたら、我が国の新薬は他にもそんなものはあるでしょう。

川竹文夫さんも、腎臓摘出後に抗がん剤を経験し、何らかの副作用に苦しんだのかもしれません。しかし、それがなかったら、もしかしたら再発や転移をしていたかもしれないのです。

人間、元気になると強気になり都合良く物事を考えるものですが、「抗がん剤でこんな悪いことがある」だけでなく、「こういう成果がある」という面もきちんと見ておくことが公正なありのままのものの見方ではないでしょうか。

もうひとつ、こういう記事もあります。

>>抗がん剤を使うな論、は正しいのか

「抗がん剤全否定も絶対派も間違い」という結論は、現実をよく表現していると思います。

(次回に続く)

川竹文夫さんについて、詳しい論評はコチラ>>
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