魚や肉のコゲを食べるとがんになる? [健康情報、本当の話]
魚や肉のコゲを食べるとがんになる。よくいわれることですね。では果たして本当のことなんてしょうか。
国立がんセンターが発表している「がんを防ぐ12か条」のひとつに、「焦げた部分はさける」という項目があります。ということは、こんがり焼いたサンマ、ジュウジュウと音を立てて肉汁を垂らしながら焼くバーベキューや焼き肉なども、食べたらがんになってしまうのでしょうか。これは一大事です。
肉や魚などの焦げた部分は、それらのトリプトファン、チロシンといったアミノ酸が高温で反応することにより、ヘテロサイクリックアミン(HCA)と総称される物質が生成されます。それは、肉よりは魚の焦げに多く存在し、遺伝子に傷を付ける強力な変異原物質であることが1970年代に明らかになりました。
変異原性というのは、サルモネラ菌の突然変異を調べる試験で判定されるものです。エームス・テストなどといわれることもあります。
突然変異を起こさせる物質は、遺伝子に障害を与える物質からであることから、発がん性もあり得るということで、必ずしも変異原性イコール発がんというわけではありません。
ただ、一般に強力な変異原性は、人に発がん性を疑えるものといわれています。現にヘテロサイクリックアミンは動物実験において、肝がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん、膵臓がんなど多くの部位にがんを発生させることが明らかになっています。そのため、国立がんセンターは12か条に加えたのです。
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これだけ聞くと、実に深刻な発がん物質を食べてしまったような憂鬱な気持ちに陥ってしまうでしょう。でもしょんぼりするのはまだはやい。それが発がんを引き起こすためには、一定量の摂取が条件になっています。
たとえば、ヘテロサイクリックアミンの一種であるMeIQxは、肝がんの変異原性が陽性とされていますが、人が調理によってそれを1日に摂取する量は、およそ0・3~3・9μg(0・0003mg~0・0039mg)です。
ところが、これまで行われた動物実験では、1mg程度まで摂取量が上がらないと肝がんの発生に作用しないといわれています。この3~5桁も違う値をもって、「トラック一杯焦げを食べないとがんにならない」とまでたとえる人もいます。
それは大袈裟としても、私たちが日常的に摂取する量で肝がんのリスクは少ないとみていいでしょう。
また、私たちが日常的に摂取しているものには、意図や自覚にかかわらずヘテロサイクリックアミンを抑制する効果が期待できるものもあります。たとえば、焼き魚に添える大根おろしがそうです。だいこんの根に含まれるオキシターゼは、ヘテロサイクリックアミンを分解する働きを持っています。
そのほかには、牛挽肉にタマネギの高濃度の糖分が加わることにより、ハンバーグステーキ中の変異原性物質が減少するという報告があります(99年、東京薬科大学生命科学部)。
ビールのホップや麦芽に由来する成分が、ヘテロサイクリックアミンによる大腸の前がん病変やDNA損傷を抑制したという動物や細胞を用いた実験結果も、ビールメーカーから報告されたこともあります。メーカーの研究成果は割り引いて考えるべきという見方もありますが、どちらも焦げの無毒化が日常的なものにあることを示唆した研究といえるでしょう。
わざわざ好んで食べることは避けるべきですが、現実に魚や肉の焦げが好物という人はいないでしょう。がんになるかどうかというより、美味しくないからその部分はよける場合が多いのではないでしょうか。その程度の習慣で避けられるリスクといえそうです。
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国立がんセンターが発表している「がんを防ぐ12か条」のひとつに、「焦げた部分はさける」という項目があります。ということは、こんがり焼いたサンマ、ジュウジュウと音を立てて肉汁を垂らしながら焼くバーベキューや焼き肉なども、食べたらがんになってしまうのでしょうか。これは一大事です。
肉や魚などの焦げた部分は、それらのトリプトファン、チロシンといったアミノ酸が高温で反応することにより、ヘテロサイクリックアミン(HCA)と総称される物質が生成されます。それは、肉よりは魚の焦げに多く存在し、遺伝子に傷を付ける強力な変異原物質であることが1970年代に明らかになりました。
変異原性というのは、サルモネラ菌の突然変異を調べる試験で判定されるものです。エームス・テストなどといわれることもあります。
突然変異を起こさせる物質は、遺伝子に障害を与える物質からであることから、発がん性もあり得るということで、必ずしも変異原性イコール発がんというわけではありません。
ただ、一般に強力な変異原性は、人に発がん性を疑えるものといわれています。現にヘテロサイクリックアミンは動物実験において、肝がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん、膵臓がんなど多くの部位にがんを発生させることが明らかになっています。そのため、国立がんセンターは12か条に加えたのです。
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これだけ聞くと、実に深刻な発がん物質を食べてしまったような憂鬱な気持ちに陥ってしまうでしょう。でもしょんぼりするのはまだはやい。それが発がんを引き起こすためには、一定量の摂取が条件になっています。
たとえば、ヘテロサイクリックアミンの一種であるMeIQxは、肝がんの変異原性が陽性とされていますが、人が調理によってそれを1日に摂取する量は、およそ0・3~3・9μg(0・0003mg~0・0039mg)です。
ところが、これまで行われた動物実験では、1mg程度まで摂取量が上がらないと肝がんの発生に作用しないといわれています。この3~5桁も違う値をもって、「トラック一杯焦げを食べないとがんにならない」とまでたとえる人もいます。
それは大袈裟としても、私たちが日常的に摂取する量で肝がんのリスクは少ないとみていいでしょう。
また、私たちが日常的に摂取しているものには、意図や自覚にかかわらずヘテロサイクリックアミンを抑制する効果が期待できるものもあります。たとえば、焼き魚に添える大根おろしがそうです。だいこんの根に含まれるオキシターゼは、ヘテロサイクリックアミンを分解する働きを持っています。
そのほかには、牛挽肉にタマネギの高濃度の糖分が加わることにより、ハンバーグステーキ中の変異原性物質が減少するという報告があります(99年、東京薬科大学生命科学部)。
ビールのホップや麦芽に由来する成分が、ヘテロサイクリックアミンによる大腸の前がん病変やDNA損傷を抑制したという動物や細胞を用いた実験結果も、ビールメーカーから報告されたこともあります。メーカーの研究成果は割り引いて考えるべきという見方もありますが、どちらも焦げの無毒化が日常的なものにあることを示唆した研究といえるでしょう。
わざわざ好んで食べることは避けるべきですが、現実に魚や肉の焦げが好物という人はいないでしょう。がんになるかどうかというより、美味しくないからその部分はよける場合が多いのではないでしょうか。その程度の習慣で避けられるリスクといえそうです。
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ご訪問&nice! ありがとうございました。
by vientre-dolor (2010-12-02 17:34)