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高血圧治療もオーダーメードがポイント [ニュース]

高血圧。それが即命を脅かすわけではありませんが、そこから重篤な疾患をもたらし、また高血圧自体は誰でも加齢で経験する。そのような高血圧治療でも、その人に合ったオーダーメード治療が必要だという記事があります。やはり現代医療は、治療プロトコルがあってもここの患者ごとのオーダーメードなのです。

「東京スポーツ」(5月30日付)では、朝日生命成人病研究所附属病院・藤井潤名誉教授に話を聞いています。藤井潤名誉教授は、高血圧治療についてもオーダーメードが必要であることを説いている医師です。引用します。

東スポ・高血圧.png

 音もなく忍び寄る高血圧は、「脳卒中」「心筋梗塞」「心不全」など、重篤な病気を引き起こす。だから〝サイレントキラー″と呼ばれ怖がられている。高血圧患者は約4000万人。その中で治療を受けているのは約800万人に過ぎない。その高血圧患者と二人三脚で歩む名医がいる。(医学ジャーナリスト・松井宏美)
 朝日生命成人病研究所附属医院(東京都中央区)の藤井潤名誉所長(85=東大・医卒)は高血圧一筋で歩んできた。1986年には第9回日本高血圧学会会長を務め、成功させている。
 東大病院から68年に朝日生命成人病研究所循環器科部長に。85歳の今も第一線の医師として診療を行っている。長い患者は44年の付き合いとなる。その患者はー。「高血圧だけではなく、不整脈のひとつWPW症候群もあり、心電図で異常が発見ざれて受診されました。高血圧は上手にコントロールできており、不整脈も問題ありません」
 40年以上通ってくる患者を含め、約400人を診察している。
 もちろん、高血圧患者から他の疾患を発見することは多い。筆者が取材した日の藤井名誉所長の最後の患者は、80代のA子さん。
「1階から2階へ上がる階段は、1段ごとに休まないと上がれない」「いつも35度台の体温が36度台から37度台。体温計が壊れていると思い、3つも買った」などと話した。
「熱は37度あり、血液検査で血液に含まれるへモグロビンの数値が基準値の半分以下の6しかありません。出血について聞きましたが〝ない″という。検査係に白血球も調べてもらうと、白血球に幼若細胞が出ているのです。白血病が疑われるので、血液疾患の専門医がいる病院へ紹介状を書き、資料をすべてコピーしてお渡ししました」
 第一線にいると問診、検査から白血病を発見することもあれば、胃がん、大腸がんを発見することもある。
 そして、メーンの治療は高血圧。高血圧の治療は長期にわたる。65歳で受診したB子さんはすでに88歳。初めは1人で通院し、そのうち腰が曲がり始め、孫娘と通院。その孫娘も社会人になった。そのB子さんから「年末に米国へ行ってみたい」と藤井名誉所長は相談を受けた。
「88歳なので返事に迷いましたが〝死ぬ前に一度米国を見てみたい。孫も一緒です″と。それならどうぞ、と言いました。年明けに、米国から無事帰ってきたと報告を受けました。そのときは感動すら覚えました」
 このように長く患者を診ていても、初診の出会いがまずは大事。この時に、患者の個人情報を得ることで治療戦略も画一的な高血圧治療ではなく、一人ひとりに合ったオーダーメード医療となる。
「高血圧薬の服用法ひとつでも、患者さんのライフスタイルに合わせるのが大事です。朝食後に服用というと、朝食を取らない人は困ってしまいます。その場合は患者さんに合った服用法にします」
 気配りが細部にまで行き届いている。食事の塩分摂取を話すときも同じ。
「塩分量を厳しく言ったほうが良い人と、厳しく言わないほうが良い人がいます。付き合っていくうちに分かりました」
 そして、今、藤井名誉所長は「この年になっても、患者さんから教えられることが多いです」と、さらりと話す。が、85歳の名医の含蓄ある言葉である。


治療するのは医師ですから、医師がオーダーメードという考え方をもっているかどうかにかかっていますね。
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