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デトックスと分子栄養学の問題点 [健康情報、本当の話]

デトックスと分子栄養学。どちらも今もある「健康法」ですね。
前回書いた「胎盤エキス」(プラセンタ)は「注入」ですが、次の章では逆に何も入れない、
つまり断食(ファスティング)の体験を『博士の異常な健康』(アスペクト)で水道橋博士は書いています。

断食をすれば、食品添加物や汚染物質等の解毒ができ、
内臓を休めるだけでなく病気回復にエネルギーがまわる
という理屈によるものです。



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山田豊文、石原慎太郎、石原結實という三人の著名人の説を引用しています。

ここは、巷間の健康法でいうと「デトックス」と
「分子栄養学」の実践ということになりますが、
ここも大変問題のある箇所です。

ひとつは、断食の効果についての記述に客観性がないことです。
どのくらいの体重の人が何日断食をすればどうなる
というデータは、ここには全く出てきません。

人間はダテや酔狂で食事をしているわけではありません。
健康を維持するためには様々な栄養素が必要です。
それらの補給がストップすれば体に異変が起こるのは当然です。

無理な断食を続ければ、健康上の様々なトラブルが発生します。
いわゆるダイエットに、プチ断食というのがありますが、
これを試みたことで抜け毛や生理不順に陥るという例もしばしば報道されます。

解毒といいますが、いったん食べたものが断食で
排出できる根拠はありません。

また、解毒とされる行為が必要なのかどうかも医学的に
明らかになったわけではありません。

「解毒健康法」は、たとえば腸洗浄など、
むしろ医学的には疑問視されています。

そんなことで解毒できないという意味と、
もうひとつは、もともと人間に備わっている解毒を含めた
様々な機能が、逆にそれらによって壊されてしまう可能性もあるからです。

博士は断食の間に、ファスティングジュース(ファースト・プラン)
なる野草と果物のジュースだけは飲んでいたようです。

これは、分子栄養学を標榜する山田豊文さんが所長である
杏林予防医学研究所が開発したものです。

分子栄養学というのは、食べものが体を作っているから、
食べものに留意することで病気の予防や老化防止を行い、
そのためにビタミンやミネラル、酵素などに注目する考え方です。



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食べものの栄養が健康に資することは確かですが、
この考え方が根本的に問題なのは、食べものの中の特定の要素に
「いいもの」「わるいもの」という役割分担のレッテルを貼っていくことです。

食べものというのは、ひとつの食材の中に、発がん物質と
制がん物質とが同居していることもあります。

さまざまなはたらきをする成分が、たがいに補完し合ったり
相殺し合ったりして、エネルギーやアミノ酸などとして
人間の体に吸収されていくのです。

食べ物に偏向した効果を強調するのは
科学的根拠もなく食べものや栄養が健康と病気に与える
影響を過大に結論づけるものであり、
フードファディズムとしての批判もされています。

健康情報・本当の話

健康情報・本当の話

  • 作者: 草野 直樹
  • 出版社/メーカー: 楽工社
  • 発売日: 2008/05
  • メディア: 単行本


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コメント 1

えみちぃ

はじめまして。

断食の一番の効能は、デトックスというよりも悪玉菌の断絶やガン細胞の死滅、などの効果を成すのではないでしょうか?
by えみちぃ (2014-03-11 08:59) 

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