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がんは免疫力で治るのか? [健康情報、本当の話]

がんは病気です。そのため免疫力対策を健康食品業者は強調します。もちろん、本人の肉体に病気と戦う力がなければ、どんな治療をもってしても通用しませんから、免疫力は大前提です。ただ、がん治療はそれだけでいいのか。それだけで治るのか、という点において、医学的見地と、通常医療を否定する人たちとの間には大きな隔たりがあります。

川竹文夫さんのビデオを、前回に引き続き見ていきます。川竹文夫さんは、がんの原因はライフスタイルに問題があるからであり、それを改めればいいといいます。

もちろん、それらを改めるのは大切なことですが、現実に発生してしまったがんは治療しなければどんどん大きくなってしまいます。

川竹文夫さんは、まるで「ライフスタイル(と食事と心)」を改めれば「治療」は要らないんだといわんばかりですが、「ライフスタイル(の改善)」と「治療」は、両立させなければならないでしょう。

そのことを前回の「がんはライフスタイルを改めれば治るのか? 」で書きました。



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がんは、ある日急に発生するわけではありません。

部位によって異なる経過もありますが、いずれにしても、複合的な原因で発生したがん細胞が、人間の体内にあるいくつものがん抑制の仕組みがをかいくぐって何年にも亘って増殖。臨床的にがんを発症するに至るまでには、長い時間と多くのステップとを経過していると考えられています。

ですから、かりに喫煙ががんの発症に関係していたからといって、急に禁煙してもすでに発症したがんを抑えることは困難です。

「しかし、人間には免疫力があるじゃないか」

川竹文夫さんもその立場に立っています。たばこをやめれば、本来の免疫力が回復して健康を取り戻せる、がん細胞も退治できる、とする考え方です。

しかし、がん治療に免疫能だけで対抗できるという客観的な成果は聞こえてきません。

がん治療には免疫療法と呼ばれるものがあります。血液中の白血球にあるNK細胞など人間の免疫細胞に、がん細胞を攻撃する作用があるので、文字通り、私たちの体がもともと持っているそうした免疫機能を高めて、がん細胞を攻撃させるという治療法です。

養子免疫療法といいますが、リンパ球を体の外で培養・活性化し、再び体に戻す活性リンパ球療法、NK細胞に対して同じような療法を行うNK細胞療法などが一部クリニックで積極的に行われています。

それ以外には、免疫能を活性化させるペプチドワクチンやインターロイキン2などを投与する方法もあります。

免疫機能で全てが解決するのなら、この療法ががん治療の決定打になってもいいはずです。

少なくとも養子免疫療法なら、その人自身の免疫力が弱っていても外部で培養・活性化した強い免疫細胞が体内に戻されるのです。

しかし、それらは後者のケースでメラノーマ(皮膚がん)等ごく一部のがんに比較的有望ともいわれているくらいで、がん全体を通して抗がん剤を超える治療成果は出ていません。

これは、発症したがん細胞が、免疫機能をかいくぐってさらに日々増殖を重ねてきたことで、免疫耐性の強いものに成長していると考えられます。

民間療法家はしばしば「自然治癒力」という言葉を使って人間の免疫力に期待しますが、免疫万能の期待はあまりにも曖昧で無責任なものといわざるを得ません。

もし、あなたに男のお子さんがいれば、幼児の頃なら片手で相手をできたのに、中学生や高校生ぐらいになると全力を挙げても体力ではかなわなくなる時期が来ることを必ず経験するはずです。

親の方に加齢というハンディキャップがあることを考慮しても、子どもの成長によって次第にあしらいが難しくなってくる現実は否定しようがありません。



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がん細胞もそれと同じではないでしょうか。小さな頃なら免疫力で片づけられても、それをかいくぐって大きくなったものは、同じ免疫力では片づけられなくなるときがくる。

中には、本当に特別な治療なしにがんが治癒するケースもあるそうです。

ただし、それはあくまで「まれ」であり、またどういう条件でそれが起こるかもわかっていません。

最後まで諦めないという意味で、そうした「まれ」に期待することは間違ったことではありませんが、治療できる場合は積極的に治療を行うべきではないでしょうか。

(次回に続く)

川竹文夫さんについて、詳しい論評はコチラ>>
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