コーヒーエネマ（珈琲腸洗浄）、現役医師が勧めるの？ [健康情報、本当の話]
コーヒーエネマ。珈琲を使った腸洗浄のことです。それを薦めている人がいます。美容業者？ 民間療法業者？ 違います。健康保険を取り扱う現役の医師です。『病気にならない生き方』（サンマーク出版）という本について何回か述べてきましたが、著者・新谷弘実さんはコーヒーエネマを推奨しているのです。
新谷弘実さんの最大の問題は、現役医師でありながら、医学的に認知されていない用語や治療法を推奨していることです。
同書では「コーヒー・エネマ」なる、コーヒーなどを使った大腸の左側の洗浄が推奨されています。
便秘の際に行う「浣腸」なら市販されているものもありますが、浣腸と腸洗浄では全く意味が違います。
腸洗浄は、「宿便」という医学的には認知されていないものをとるための「健康法」です。もちろん、新谷弘実さんは同書で堂々とその文言を使っています。
腸を洗浄するという行為は医学的に認知されていないし、腸内洗浄をまともな医師が勧めることはありません。
あなたの行きつけの外科医や内科医がそんなものを勧めたことがありますか？
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たとえば、目をキレイにするといって水を目に大量に流すとどうなるでしょう。目から体液（涙）や流され粘膜を守るものがなくなり、痛くて仕方がないはずです。
腸もそれと同じことです。人間の体は洗車するように水を流せばキレイになる、という単純なものではなく、体液や微生物などによって守られています。
それをとってしまうことで、思わぬ感染症を引き起こすかもしれません。また、施術の際に直腸を傷つけたりすることがあります。
ましてや、自分で自分の見えない肛門に施術するならなおさらです。
それ以外にも、「クラスターの小さい水」など医学的には認められていない「健康関連業者用語」が同書では次々飛び交っており、医師というよりもそうした業者の本ではないかと見まがうほどです。
なぜ、現役の医師がそんなことを書くのでしょうか。
新谷弘実さんの公式サイトには、「膨大な臨床結果から生まれた『シンヤ・ビオジマティック』」と称した健康食品や機器の販売ページがあります。これではまさに健康食品の業者サイトです。
「膨大な臨床結果」とは何でそこから何がどう考察されるかという話はいっさい書かれていません。関連論文が発表されたという話も寡聞にして存じません。
これは早い話、医師の著作によるバイブル商法ではありませんか。
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医学者と医師は厳密には役割が違います。医師は、治療についての裁量が認められています。
しかし、健康保険を扱う診療を行うのなら、エビデンスと両立する立場にあるのは当然のことです。
コーヒーエネマや「クラスターの小さい水」で治療したいのなら、自由診療の「そういう治療」であることを看板に掲げるべきです。
現役の保険取り扱い医師が客観的な根拠もなくエビデンスのないものを売る。これはモラルとしても最悪のパターンです。
医師や科学者は、そのオフィシャルな言動について、科学的でなければ存在価値はないと考えますが、いかがでしょうか。
（つづく）
詳しくはコチラ>>
新谷弘実さんの最大の問題は、現役医師でありながら、医学的に認知されていない用語や治療法を推奨していることです。
同書では「コーヒー・エネマ」なる、コーヒーなどを使った大腸の左側の洗浄が推奨されています。
便秘の際に行う「浣腸」なら市販されているものもありますが、浣腸と腸洗浄では全く意味が違います。
腸洗浄は、「宿便」という医学的には認知されていないものをとるための「健康法」です。もちろん、新谷弘実さんは同書で堂々とその文言を使っています。
腸を洗浄するという行為は医学的に認知されていないし、腸内洗浄をまともな医師が勧めることはありません。
あなたの行きつけの外科医や内科医がそんなものを勧めたことがありますか？
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たとえば、目をキレイにするといって水を目に大量に流すとどうなるでしょう。目から体液（涙）や流され粘膜を守るものがなくなり、痛くて仕方がないはずです。
腸もそれと同じことです。人間の体は洗車するように水を流せばキレイになる、という単純なものではなく、体液や微生物などによって守られています。
それをとってしまうことで、思わぬ感染症を引き起こすかもしれません。また、施術の際に直腸を傷つけたりすることがあります。
ましてや、自分で自分の見えない肛門に施術するならなおさらです。
それ以外にも、「クラスターの小さい水」など医学的には認められていない「健康関連業者用語」が同書では次々飛び交っており、医師というよりもそうした業者の本ではないかと見まがうほどです。
なぜ、現役の医師がそんなことを書くのでしょうか。
新谷弘実さんの公式サイトには、「膨大な臨床結果から生まれた『シンヤ・ビオジマティック』」と称した健康食品や機器の販売ページがあります。これではまさに健康食品の業者サイトです。
「膨大な臨床結果」とは何でそこから何がどう考察されるかという話はいっさい書かれていません。関連論文が発表されたという話も寡聞にして存じません。
これは早い話、医師の著作によるバイブル商法ではありませんか。
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医学者と医師は厳密には役割が違います。医師は、治療についての裁量が認められています。
しかし、健康保険を扱う診療を行うのなら、エビデンスと両立する立場にあるのは当然のことです。
コーヒーエネマや「クラスターの小さい水」で治療したいのなら、自由診療の「そういう治療」であることを看板に掲げるべきです。
現役の保険取り扱い医師が客観的な根拠もなくエビデンスのないものを売る。これはモラルとしても最悪のパターンです。
医師や科学者は、そのオフィシャルな言動について、科学的でなければ存在価値はないと考えますが、いかがでしょうか。
（つづく）
詳しくはコチラ>>
珈琲での洗浄はともかくとして、腸洗浄は故ダイアナ王妃が病院で定期的に行っていたことは有名です。
日本国内の認知度が低いだけではないでしょうか。
私は健康診断で要精密検査を申し渡され、
大腸検診を受けたことがありますが、
内視鏡を入れる前に大腸洗浄を行っています。
おそらく、腸壁の状態を詳細に見るのが目的でしょう。
また、私の友人は現在乳癌で通うクリニックで、
定期的に腸洗浄を受けています。
このクリニックは国立ガン研の副院長ともう一人の医師で開院するクリニックです。
by A・ラファエル (2010-10-27 10:12)
>このクリニックは国立ガン研の副院長ともう一人の医師で開院するクリニック
だからどうしたというのですか。
記事をよく読んでください。
極端に言えば、病院では
医師が祈祷で治療しても構わないことになっています。
ただし、それが健康保険で認められているかどうか。
認められていなければ、それはエビデンスがあるとは言いません。
腸洗浄なるものは保険は効きませんし、そんな医学論文もありません。
by skeptics (2014-01-05 15:44)
A・ラファエルさんの具体的な内容がわかりませんが、skepticsさんの仰る「腸洗浄」とは別のものではないのですか。
通常の医療で「エネマ」は認められていませんが。
by もじ (2014-01-05 15:54)