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『「がんに効く」民間療法のホント・ウソ』民間療法にすがる患者はトンデモなの? [健康情報、本当の話]

『「がんに効く」民間療法のホント・ウソ』(住吉義光、大野智共著、中央法規)は、補完代替医療を、代替医療、精神・身体インターベンション、健康食品、整体、エネルギー(気功)と5種類に分類し、解説している書籍です。科学者・医学者の中には、単純に、それらがEBMがないからというだけで紋切り型の否定をする人がいます。

また、疑似科学を批判する人の中にも、「大人しく病院の治療を受けている人はまともな人、代替医療に走るのは非科学的で業者に騙された人」という見方をする人がいます。

が、私はそのような単純な見方には賛成しないばかりでなく、むしろ厳しく批判する立場をとっています。

同書では、補完代替医療が昨今のブームになってきたのは、決して患者が西洋医療を否定しているわけではなく、健康と人生に対して、自分自身の価値観や倫理観に適合した西洋療法以外の補完代替医療を探し、利用するケースが増えてきたためとしています。

私もその説に賛成です。

少し長くなりますが、大切な部分なのでそのまま引用します。

「がんは手術・放射線・化学療法(抗がん剤)と免疫療法により、五〇~六〇パーセントの人が治る病気になってきました。しかしながら、患者さんにとっては逆に四〇~五〇パーセントの人が命を落とす病気なのです。

さらに、手術でがんが完全に取り切れ、治ったと主治医より説明を受けても、再発や転移に対する不安は常にもち続けています。

このような、不安感やストレスなどを少しでも和らげられることを期待して、現代西洋医療では力が及ばない領域を補完代替医療で補おうと考えるのです。



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そして、健康に対する意識の向上やさまざまな医療に関する情報が容易に得られるようになってきた昨今では、このように考える患者さんが非常に増えてきています。

現代西洋医学による医療では治癒が困難な、さらには治療法がない進行したがん患者さんでは、藁をもつかむ思いで何らかの治療法を自分で探し利用しようと考えます。

治らないまでもなんとか少しでも長生きしようとするのです。また、死への恐怖心というのも必ず抱きます。このような精神的負担を軽減するためにも補完代替医療の利用を思いつくわけです。

さらに、補完代替医療によりがん末期の悪液質から少しでも逃れ、QOL(生活の質)を向上させ、残された余生をおだやかにすごそうとも考えます。

患者さんの自分がわずらっているがんや健康、さらにはQOLに対する意識の高まりや人生観が今日の補完代替医療がブームになっている理由の一つです。

いままでのがん治療は、医師の言うがままのきらいがありました。しかしながら、最近のインフォームドコンセントの広まりにより、十分な説明を受けた後に自分自身で治療法を選択するようにもなってきました。

さらに、現代西洋医療のみでなく、補完代替医療などのさまざまな療法についての知識を高めようとします。

一般に補完代替医療は、身近で、親しみやすく、自然で、手術を行わない非侵襲的なものが多く、精神的な健康までもカバーできる可能性があるために、がん患者さんの約半数が利用するまでにもなったのです。」

つまり、こういうことです。



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健康食品を含む補完代替医療を採用するのは、少なくとも患者サイドからは、
  • 現在の医療が絶対ではないことを見定めていること
  • 主体的な治療生活を送りたいという患者の自覚の反映であること
  • 患部さえ治療すればいいというのではなく、QOLに配慮し日々の生活を少しでも安定したものにしたいこと

といった自覚的で、かつ積極的な面を見ることができます。

その部分をも否定するような批判であってはならないと考えるのです。

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